こんにちは。りんご桜です。
力士のまわしは、身にまとっている唯一のもの。力士としての象徴でもあります。
取組をみていると、まわしを使っての決まり手があったり、とても重要なものでもあります。
今回は力士のまわしの下がり(ひも)は何のためにあるの?まわしが取れたら勝敗に関係あるのか、まわしを叩く意味は、下には何か履いてるのかそんな気になる疑問に答えていきたいと思います。
力士のまわしの「下がり(ひも)」は何?
まわしところから下がっているひものようなものは「下がり(さがり)」と呼ばれ、本場所の土俵で相撲を取るときには横綱から序ノ口の力士まで、力士全員がまわしに付けることになっているものです。
単なるまわしの飾りではなく、本来は十両以上の力士が「土俵入り」をする時に着用する化粧まわしを簡略化したものです。
化粧まわしがひも状に変化した理由は、取組み中に邪魔だからだそうです。
元々力士は、土俵入りの時に着けている化粧まわしをそのまま着けて取組を行っていました。
でも、相撲を取るときに大きな化粧まわしを締めていたら、どう見ても相手のまわしを取って投げるような動きをするときに邪魔になります。
そこで江戸時代の半ば頃になると、相撲を取る時には化粧まわしの前に垂らす「前垂れ」と呼ばれる部分のない、現代のようなまわしを着用して土俵へ上がるようになりました。そして、化粧まわしの前垂れの下側に付いているフリンジ状の装飾だけは、簡略化された「下がり」となって残されました。
「ゲンを担ぐ」という意味で「下がりの本数は奇数」と決められました。偶数だと2で割ることができるため「土俵を割る」につながり、縁起が悪いというわけです。
また現代の下がりは、取組みの最中にまわしから外れて落ちてしまうことがよくあります。
これは、まわしの前褌(まえみつ)に固定されていた下がりに指を引っかけてケガをする力士が続出したことから、簡単に外れるように改良されました。
確かに、化粧まわしをしながらの取組みは大変そうですね。
下がりの本数が決まっているとは、びっくりです。ゲン担ぎなんて昔の方々のこだわりですね。
力士のまわしが取れたら勝敗に関係あるの?
相撲の取組中に、まわしの前袋が外れて陰部が露出することであり、露出した側の力士が即座に反則負けとなります。それを不浄負け(ふじょうまけ)と言います。
戦後唯一の事例として、2000年、五月場所で、当時三段目の朝ノ霧(若松)の陰部が露出してしまい、対戦相手の当時三段目の千代白鵬(九重)が反則勝ちとなった一番が知られています。
テレビで大相撲中継を見てて、まわしがゆるくなって、ひやひやするときはありますが、実際、まわしが外れてしまうことがあるのですね。
力士のまわしをたたくのはなぜ?
実は意味のある相撲の所作ではないようです。
以前、ラジオ放送で元小結 舞の海が子供の質問にこう答えてます。
Q.おすもうさんはどうしてまわしをたたくの?
A.お相撲さんが、まわしをたたくのはそれぞれ理由がちがいます。
塩をまいた後、手についた塩をはらうためにまわしをたたく人ももいますし、マンガでよく見るんだけど、筋肉ムキムキの人が胸をゴリラのようにたたいて、これから戦うぞといっているところがあるでしょ。あれと同じようにまわしを強くたたいて、自分で自分をひきしめてがんばるぞ、と震いたたせている人もいます。「さあやるぞ」というポーズなんですね。
回答者 元小結 舞の海
引用:全国こども電話相談室
力士自身が気合いを入れている仕草なんですね。たたくといい音がしますね。見ている方も、「いよいよ取組みがはじまるぞ」と気合いが入ってしまいます。
力士のまわしの下は何を履いているの?
大相撲ではまわしの下に何も着用しないことが原則です。
力士は素肌の上に直接、まわしを着用していることになり、まわしの下には原則として何も履いていません。
ただし、負傷している場所を保護するための包帯やテーピングなどの着用は許されています。
相撲規則 力士規定 第2条
「理由なくして締込の下に、下帯を使用することができない。」
力士は、直接、肌にまわしを着用しているんですね。絹や綿の自然素材とはいえ、なんだか擦れて痛そうなイメージです。 毎日まわしをしていると慣れてくるのでしょうか。
まとめ
・まわしところから下がっているひものようなものは「下がり(さがり)」と呼ばれ、本場所の土俵で相撲を取るときには、力士全員がまわしに付けることになっているものです。
・相撲の取組中に、まわしの前袋が外れて陰部が露出することであり、露出した側の力士が即座に反則負けとなります。それを不浄負け(ふじょうまけ)と言います。
・力士がまわしをたたくのは、意味のある相撲の所作ではないようです。力士自身が気合を入れる仕草です。
・大相撲ではまわしの下に何も着用しないことが原則です。
いかがだったでしょうか。まわしのあれこれ。いろいろわかると、ほかのことにも興味がわいてきます。もっとこだわりなど知りたくなりました。