こんにちは。りんご桜です。
力士が唯一まとっている「まわし」
最近では、とてもカラフルで、まわしの色が力士のテーマカラーになっている印象があります。新しいまわしをつけていると、「今度はこの色にしたんだ~」なんて、力士まわしの色を見るのも楽しみのひとつでもあります。
今回は、力士まわしの色・素材・長さや洗濯についてご紹介します。
力士のまわしの色は?自由なの?
実は、相撲協会の力士規定では、まわしの色は「紺・紫色系統」って決まっています。
でも、最近ではカラフルなまわしを締める力士が増えてますね。宇良のピンク色や、豊昇龍関の力強い赤など、本当に様々!
なんでこんなにも色が自由になったんでしょうか。
それは、相撲協会が力士たちの個性を尊重するようになったからだそう。
好きな色でまわしを締めることで、力士たちはより一層、相撲に集中できるようになったのかもしれません。
一方、稽古用のまわしは、取り組み用のまわしと比べると少しルールが厳しいです。
十両以上の力士は白いまわし、幕下以下の力士は黒いまわしって決まってます。
柔道で黒い帯の方が上級者ってイメージがあるから、黒い方が強いんじゃないかって思う人もいるかもしれませんが、相撲ではそうではないようです。
稽古の時は、横綱でも白いまわしを締めてます。
なんで色が違うのでしょうか?
稽古用のまわしの色が違うのは、歴史的な背景や、力士の階級を分かりやすくするためのようです。
白いまわしは、清浄さや力強さを象徴してるようです。
力士のまわしの素材は?
相撲のまわし、素材にも秘密があります。
相撲のまわしは、力士の象徴的な存在ですよね。
そのまわし、実は素材にも力士の地位によって違いがあるって知っていましたか?
<まわしの素材、絹と木綿の違い>
● 絹のまわし: 十両以上の関取が本場所の取り組みで着用するまわしです。絹の光沢と滑らかな肌触りが特徴で、高級感があります。
●木綿のまわし: 幕下以下の力士や、学生・アマチュアの力士が着用するまわしです。丈夫で吸湿性に優れているのが特徴です。十両以上の力士も、稽古の際には木綿のまわしを使用します。
<なぜ素材が違うの?>
素材が違うのには、歴史的な背景や、力士の地位を表すという理由があります。
● 歴史的な背景: 昔は、絹は高価な素材だったため、地位の高い力士だけが絹のまわしを着用することができました。
● 地位の象徴: 絹のまわしは、力士の地位の高さ、そして相撲の伝統を象徴しています。
<十両以上の関取は素材も使い分け!>
十両以上の関取は、取り組み用の絹のまわしと、稽古用の木綿のまわしの2種類を使い分けています。これは、絹のまわしはデリケートで、毎日の稽古で着用するには適さないという理由からです。
相撲のまわしは、素材一つとっても奥が深いですね。絹の光沢と木綿の丈夫さ、それぞれの素材が持つ特徴が、力士たちの力強い姿をさらに際立たせているのかもしれませんね。
力士のまわしの長さは?同じ長さなの?
<まわしの長さ、実は力士によって違う!>
一般的に、まわしの長さは6メートル~9メートル程度と言われています。
これは、力士の体格によって調整されるもので、だいたい自分のウエストの約7~10倍の長さになるように作られます。
<まわしの巻き方>
まわしの幅は47センチ。これを4つ折りにしてしっかり折り目をつけ、体に4~5周ほど巻きつけます。
元大関の小錦(現・KONISHIKI)のまわしの長さはなんと13メートル!
元大関の小錦は、その巨体で知られていましたよね。彼のまわしの長さは、なんと13メートルもあったそうです!これは、一般的な力士のまわしの長さの倍以上!
<なぜこんなに長いのか?>
小錦のように体格が大きい力士の場合、体をしっかり覆うために長いまわしが必要になります。また、まわしをしっかり締めることで、体幹を安定させ、より力強い取り組みができるというメリットもあるそうです。
相撲のまわしは、力士の体格や取り組み方によって、長さが大きく変わることがわかりました。小錦関の13メートルのまわしには、彼の圧倒的な存在感が表れていると言えますね。
力士のまわしの値段は?高いの?
相撲の力士が締めるまわし。その値段は、数千円からなんと1千万円以上までと、実に幅広いことをご存知ですか?
<アマチュアからプロまで、値段はピンキリ>
● アマチュア用: 数千円から購入できるものが多く、手軽に相撲を始めたい人でも手に入れやすいのが特徴です。
● 幕下以下の力士用: 黒や白のまわしは、一見シンプルに見えますが、約1万円~2万円程度します。
●十両以上の関取用: 取り組みで使用する絹のまわしは、なんと1本100万円前後もする高級品。着物よりも高価なものもあり、驚きです。
<化粧まわしの値段もすごい!>
力士の名前や後援会、企業名が刺繍された「化粧まわし」は、さらに高価です。数百万円から、中には1千万円を超えるものもあるとか。
なぜこんなに値段が違うの?
値段が大きく異なる理由はいくつか考えられます。
●素材: 絹や木綿など、素材によって値段が大きく変わります。
● 製法: 手縫いや機械縫いなど、製法によっても価格に差が出ます。
● 刺繍: 化粧まわしの刺繍は、非常に手間がかかるため、値段が高くなります。
●力士の地位: 十両以上の関取は、相撲界のトップ層であり、その地位を象徴するまわしは高価になる傾向にあります。
相撲のまわしは、単なる道具ではなく、力士の象徴であり、相撲文化を象徴するものです。その値段の背景には、長い歴史と伝統が詰まってますね。
力士のまわしは洗わない?洗濯しないから臭い?
力士のまわしは洗わないそうです。
相撲の力士が着用するまわしは、汗や汚れにまみれても洗わないことが習わしとなっています。
一体なぜなのでしょうか?その理由と、気になるにおいについて深掘りしてみましょう。
<なぜ洗わないの?>
● ゲン担ぎ: まわしを洗うことは「水に流す」ことと捉えられ、力士の運気を下げると考えられているためです。
● 生地の劣化: まわしは、主に絹や木綿で作られており、洗濯を繰り返すことで生地が傷み、強度が弱まってしまうからです。
● 伝統: 古くからの伝統として、力士たちはまわしを洗わないことを重んじています。
<じゃあ、どうしてるの?>
洗わない代わりに、力士たちは以下のような工夫をしています。
● 泥落とし: 稽古用のまわしは、使用後に泥などを丁寧に落とし、天日干しをします。
● 陰干し: 取り組み用のまわしは、陰干しをして汗を乾かします。
● 消毒: 衛生面を考慮し、アルコールなどで消毒することもあります。
<一番気になるのは、におい!>
毎日汗をかき、激しい運動をする力士のまわし。いくら日光に当てても、完全な消臭は難しいのではないでしょうか?
実は、一説には「自分の師匠が亡くなった時にだけ、まわしを洗っても良い」という風習もあるそうです。それだけ、まわしは力士にとって特別な存在であり、簡単には洗えないものとされています。
洗わないという伝統を守りながら、衛生面にも配慮し、日々大切に扱われています。巡業の時に会場の外に稽古用のまわしがたくさん天日干しされてました。(かなりの量でした~)
まとめ
・まわしの色は「紺・紫色系統のものを使用する」と相撲協会の規定で定められていますが、徐々にいろいろな色のまわしが増えてきて、協会はこれに関しては黙認しているようです。
・十両以上の関取は取り組み用のまわしの素材は絹。
それ以外の力士は学生やアマチュアを含めて、木綿の素材となっています。(十両以上の力士も稽古用は木綿の素材)
・力士のまわしの長さは6m~9m程度で、だいたい自分のウエストの約7~10倍くらいの長さ。
まわしの幅は47㎝あり、これを四つ折りにしてしっかり折り目をつけて使います。
・力士のまわしの値段は、稽古用は数千円から1千万円以上もするものまでさまざま。
一方で、十両以上の関取が取組みで使う絹のまわしの値段は1本100万円前後もします。
いかがだったでしょうか。
力士のまわしについて、少しは知っていると、大相撲を見ているときに新しい発見があるかもしれませんよ。よく見ると色が褪せてたり、擦り切れてたりすることがあります。力士のまわしは、力士として歩んだ足跡に似ているかもしれませんね。